夫です。
前戯について ~基本的な考え方~の中で、興奮状態に合わせた前戯について下記の表を載せました。
興奮度 低 | 興奮度 高 | |
①触り方 | こする | 押す |
②触る速さ | ゆっくり | 速く |
③触る強さ | 弱く | 強く |
④触る場所 | 準性感帯 | 性感帯 |
今回はこの表に記載した内容について詳しく書いていきます。
前戯における触り方
まず ①触り方 についてですが、「こする」と「押す」があります。「こする」は肌の表面を指や唇、舌でなぞって摩擦を起こしている行為、「押す」は圧力をかけて圧迫する行為です。これらは同時に行うこともできるため、分けて考えることは少し難しいですが、ここではしっかりと区別していきます。
例えばオナニーの際に、男性がローションなどを使わずにペニスをしごく時、女性がまだ濡れていない状態でクリトリスを手で刺激する時、ここではいずれも「押す」の行為に分類します。どちらも「こする」の行為のようにも思えますが、ローションや愛液などによって摩擦力が軽減されている状態ならともかく、何もない状態で手のひらや指によってペニスやクリトリスをこすると非常に痛いはずです。
実際はペニスの皮、クリトリスの皮部分が伸びることを利用して、ペニスやクリトリスを押して(圧迫して)刺激しているのです。ペニスやクリトリスの表面をこすっているわけではありません。勿論、こすっているという側面も多少あるでしょうが、主な刺激方法としては「押す」に該当します。
こすらずに押している、押さずにこすっているだけということはなかなかありません。どちらの行為に比重を置いているか、というように解釈していただければと思います。
表に記載しているとおり、こするという触り方は興奮度がまだ低い時に徐々に興奮度を高めていくのに用います。舌と唇は粘膜であり摩擦が小さく、また唾液という潤滑剤を用意できるということもあって、これに適しています。
押すという触り方は、興奮度がある程度高まってきた時に、より興奮度を高め、絶頂に導いていくのに用います。舌や唇よりも力を込めることができる手のひらや指がこれに適しています。
昔、友人二人とセックスについて話していた時に
友人A「俺の彼女、クンニよりも手でクリトリスを触る方が気持ちよさそうなんだ!」
友人B「うちもだよ!」
なんて会話をしていたことがありました。
勿論、彼女の好みの触り方ということもあるでしょうが、それよりも興奮度が低い時はクンニで、興奮度が高まってきた時は手でクリトリスを刺激するといった使い分けが必要なのだと思います。
触る速さと強さ
②触る速さ と ③触る強さ については読んで字のごとくです。強さについてもう少し想像しやすく具体的に言いますと下記のようになります。
・「弱く」「こする」という場合はより摩擦が小さいこすり方 ⇒ 唇や舌でこする
・「強く」「こする」という場合はより摩擦が大きいこすり方 ⇒ 手のひらや指でこする
・「弱く」「押す」という場合はより圧力の低い押し方 ⇒ 唇や舌で押す
・「強く」「押す」という場合はより圧力の高い押し方 ⇒ 手のひらや指で押す
触る場所
④触る場所 については、準性感帯と性感帯に分けて考えます。
準性感帯 | 性感帯 |
「唇」「耳」「首」「背筋」「二の腕」「乳房」「脇腹」「腰からお尻にかけて」「お尻の穴の周囲」「太もも」「膝裏」 | 「乳首」「ペニス」「クリトリス」「膣」 |
準性感帯は性感帯以外でぞくぞくしやすい場所と思っていただければ大丈夫です。
興奮度がまだ低い時はいきなり「乳首」や「ペニス」等を触るのではなく、まずは「首」や「乳房」から始めた方がよいということですね。この点については既に実践されている方も多いのではないかと思います。
まとめ
前戯における触り方のテクニックとは、上記4点を適切に組み合わせて進めていくということです。
例えば前戯の開始時点で、パートナーがまだあまり興奮していない状態であれば、耳や首筋、太もも(準性感帯)をゆっくり、弱く、こする、という所からスタートすることになります。そして相手の興奮度が徐々に増していくのにあわせて、こするを押すに変えてみたり、触り方を速くしてみたり、触る場所を準性感帯から性感帯に移してみたり、という興奮度低と高のそれぞれの内容を組み合わせていくということが基本になります。
速く、強く、性感帯を、押す(圧迫する)、という行為はイく直前だけで十分です。なお、興奮度が十分に高まった状態で相手をイかせてあげるためには「速く、強く、性感帯を、押す(圧迫する)」という方法が効果的であることは間違いないのですが、イく深さを追求するにつれて、私はこれもあまり良い方法とは言えないなと感じています。この点については別の回で書かせていただきます。
「こする」と「押す」の区別は特に意識しよう
触る速さ、強さ、場所を意識されている方は多いと思いますが、こすると押すを明確に区別されている方は少ないのではないかと思います。今回の記事で最も言いたかったことは「こする」と「押す」という触り方を区別する必要があるということです。
女性の興奮度がまだ低いのにもかかわらず、乳首を舌で強く舐めたり、唇で強く締め付けて吸ったりするのは良い前戯とは言えません。指や手のひらで力強くぐりぐりと触るのはもっとよくありません。まずは準性感帯から始めて、興奮度の高まりにあわせて乳首を舌と唇で優しくなぞるようにこするというように順序を踏みましょう。
女性だけなく男性に対する前戯も同様です。フェラチオする時は、いきなり唇と手でぎゅっと締めつける触り方が良いのではありません。最初は裏筋や亀頭を舌や唇でそっとこするとこから始め、ペニス全体を口の中に入れる時もいきなり締め付けるのではなく、優しくこすることを意識しましょう。
このように相手の興奮度を意識して「今はこすると押す、どちらの行為に比重を置くべきなのか?」ということを考えていくと、より前戯のバリエーションが豊富になり、状況に合わせた適切なものへとなっていきます。
まだ意識したことがない方は、是非一度お試し下さい。後はパートナーの好みに合わせて前戯を工夫していくと良いと思います。
次回以降、前戯をされる側がどのように感じているのかという観点から、前戯についてさらに詳しく書かせていただきます。