私たちのセックス遍歴 (4)

書いた人: 妻

私たちのセックス遍歴 (1)
私たちのセックス遍歴 (3)
 の続きです。

 

もちろんここまですんなりと来れたわけではありませんでした。

 「もうセックスなんかしたくない」と思ったこともあるし、言ったこともあるし、初期の僅かの期間でしたが何をされても痛く感じるようになった時もありました。

 また、別の感情として「誰か別の練習用の人を用意して、その人で準備万端にちゃんとイケるようになってからしたい……」みたいに思っていたこともあります。
 それはなんというか、相手に嫌な自分、上手くいかない自分、落第生的な自分を見られたくない、見せたくない、普通の人以上にしんどい思いをさせたくない、というような感情でした。
 でもそれは後になんの意味もない感情だということに自分で気付きます。

 

 

 「なんでこんなに頑張ろうとしてるんだろう? 別に中でイケなくったっていいじゃん…」  というようなことをポツリと言ったことがありました。
 そうすると私の夫は、  「うん、俺もそう思ってる。一生に一回くらいいつかイケればいいかなーくらいに思っているよ」 と。

 その言葉で、私の心はどこか軽くなったような気がしたのです。
 そのあたりから長く前戯をしてもらうことも、挿入時に長くイケない時も、申し訳ないなあとか、悪いなあなどと強く思う事は減りました。いかなくちゃ! という観念は良くないとわかっていても、なかなか理想的な心境にはなれないものです。

 

 二人で頑張ってここまで来た。だから意味があった。誰か別の「練習用の人」を本当に用意したとして、それでお互いの信頼や関係や良いセックスに繋がっていたでしょうか。理想的な取り繕った綺麗な自分では、真摯にセックスには向き合えないんですよね。それはもう、言葉通りの意味でです。

 そしてそれは相手のこともそうです、格好いい相手ばかりを期待して挑めば、やっぱりどこかで落胆してしまう。だって、セックスなんてほとんどの人間が「ちゃんとできないし、したこともない」ようなことなわけで、最初から自分を気持ちよくしてくれる準備万端な王子様でいられるわけがないのですから。

 二人で沢山失敗もしてきました。格好悪い所も一緒に経験した、上手くいかなくてしょんぼり終わった日なんて山ほどあった。
 それでもここまで来れました。
 でも、なんでそこまで頑張れたんだろう?
 って、そりゃあ、好きだったからじゃあないでしょうか。
 好きな人と楽しく気持ちよくなりたいから、がんばれた。  ただそれだけだったと思っています。

 

 「一緒にイクと2倍くらいの気持ちよさになる」に書きました。

 もうひとつは、夫が答えてくれました。 「ゲームでもなんでも、始めれば『より上手くなろう』と思うことが自然。セックスもそれと同じだった」  上手くできなかった。上手く相手を気持ちよくできなかった。だったらどうしよう。どうすればお互い気持ちよくなれてハッピーになれるのか。

 

 瑞谷夫婦は特別でもなんでもない、ごくごく普通の恋人同士で、今は夫婦です。


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