こんばんは、瑞谷です
私は普段ブログやtwitterでは「コンドームは原始的避妊法」だとか「コンドームは物理的避妊だから」とかいうことを沢山書いてきました。
しかしそれらは決して、避妊法としてのコンドームの否定ではないのです。
なぜならコンドームは、後継である科学的避妊にはないメリットがあるからです。
今後、より優れたリスクほぼゼロのパーフェクトな避妊方法が完成するまでは、あるいはしてからも、その人の環境や状況などで方法は選べるようにあるべきです。
何かひとつの避妊方法だけでいいわけではないのです。
なぜなら何度も書いているように、避妊の失敗は「誰のせいでもないから」。
避妊の失敗が多くなるように仕向ければ人口が増えるわけではないから。
避妊失敗が繋がる先は「堕胎」であるから。
「失敗して出来てしまったが産んで育てよう、大丈夫」と言える状況の人ばかりではないのです。
もくじ
コンドーム最大のメリットはその手軽さ
コンドームはお安いものならひとつ20~30円程度からあります。
買ったその場ですぐに利用することができ(決して販売店その場で脱いで良いということではありません(´▽`;))、ちゃんと使えればその日にかなり高い避妊率が確保できます。
この「かなり」というのは難しいところで、もちろん今までの人生で一度も失敗したことがないという人もいれば、何回か失敗したことがあるという人もいます。
「年間の避妊率」としての値は、一般的使用で82%程度、きちんと理想的に使えて98%程度と言われています。
でも「その場からいきなりその程度の避妊率が確保できる」のは、ある意味魅力的とも言えます。
なぜなら、低用量ピルは「よく勉強して事前に飲んでおかなければ避妊効果が発揮できない」し、身体的リスクもゼロではありません。またその他科学的避妊方法も同様です。
性病(STD)予防を一役買える
例えば「お互い性病検査でのキャリア確認をしていない」状態同士でセックスをしたいという場合に、「いややっぱり今日は諦めて明日検査に行ってから後日にしよう」と言える人達ばかりではないでしょう。
そういう時に「コンドームを付けてセックス」ということはアリです。
もちろんパーフェクトな対応は「パートナーが変わった時には検査と治療に行く」なのですが。
そういうケースで「低用量ピルなどで平時から避妊効果を得ている」場合でも、避妊効果と性病(STD)予防は別の問題です。
相手はそれまでにどんな相手とセックスをしてきたかは目視できないですし、すべてを話してくれる確証もない関係かもしれません。
「病気はないと思うよ」と言われても、感染から症状の発現まで時間が掛かる病種がほとんどですから、今自覚症状がなくともキャリアである可能性は否定できません。
しかしそういう場面の可及的な選択肢と言えるかもしれません。
ただ問題は、最初から最後まできっちりコンドームを使用したとしても、防ぐことができないSTDもあるということです。
失敗が割とわかる(わかるとは言っていない)
物理的な避妊であるコンドームは、その場で「抜けたり」だとか「破れてた」だとかの失敗が、割と発見できることが多いです。
ただし「多い」というだけで、絶対に気付けるというわけではないのですが……
失敗に気づくことができれば、次の手を打つことができます。
具体的には、日本でも選択できる「緊急避妊法」があります。
失敗に気付きにくい避妊法があるのか? と思われるのではないでしょうか。
例えばピルには「飲み忘れ」という失敗がありますが、場合によっては「曜日のズレ」に気付かなくて数日が経ってしまった……みたいなことは十分ありえます。
最近よくお話させて頂いている「緊急避妊ノルレボ」について、例えば「ノルレボを通常の避妊方法として使えないのか」というようなことを言う人がいますが、それは連続的な服用ができない(しづらい)という理由に加えて、ノルレボの避妊率の上限をフォローする手立てがないという所が大きいだろうと思っています。
なぜならノルレボを含めた緊急避妊薬は、失敗に気付いた時にはもう妊娠が成立しているからです。
→「緊急避妊薬の働きについて考える」
→「日本で選択できる避妊方法 (5) 緊急避妊のこと」
→「色々なピルを紹介していくよ (2)」
最近の薄いコンドームは直に近い感覚
以前「0.01mmのコンドームレビュー」をしていましたが、これくらいになると本当に「直に近い感覚」になります。
ただし前述のお安いコンドームに比べると割高ですが……
低用量ピルは「定額制」みたいなもので、月に何回セックスしようが金額的には変わりません。
逆にコンドームは、例えば0.01mmのタイプだとお安い物の10倍くらいの金額になりますから、週2回 / 月8回セックスするカップルだと2,500円くらいになるので、低用量ピルと同額くらいになってきます。
どちらがいいかなんていうのは、もちろん比較できる所ではありません。
そのカップルにより、選択した方が良い、選択したい避妊法は違います。
薄い方がセックスのクオリティが高くなるというカップルもいれば、厚みが変わってもあまり変わらないというカップルだっているでしょう。
上のものを知ると下には戻れないことが多い
ちょっと嫌な話ですけれども、「生活水準を下げることはとても辛くて難しい」と先人は言いました。これは実際にその通りで、でも知恵と工夫で乗り切れる人というのもいらっしゃいます。
私はファッションとしてのメガネが好きなのですが、メガネのフレームのクオリティは基本的に値段相応で、値段が高い程掛け心地が軽く良くなります。
しかし「お安いフレームが普通」だと思っていると、それが当たり前になっていますから重さや硬さに気付けないのです。
逆に一度「軽くてフィットするフレーム」を知ると、重いフレームには戻れないと言います。
高い避妊率の避妊法や副効用のある避妊法、良い感触の避妊方法に触れると、もう後には戻れないかもしれません。
でもそれもまた、選択だと思います。