緊急避妊薬「ノルレボ錠」を市販化するお話

書いた人: 妻

 こんばんは、瑞谷です

 以前避妊のエントリにて、「緊急避妊薬」についてを書きました。

→ 「日本で選択できる避妊方法 (5) 緊急避妊のこと

Q&A用に描いたノルレボイラスト

 こちらの終盤では
「海外と比べると10倍以上の価格差がある」
「海外では薬局で買える国がある」
「緊急避妊薬へのアクセス性を高める活動がされている」
 というお話で締めました。

 どのような薬剤であるかは前述の私のエントリをご覧頂くとして、実際の運用にて「こういうことが起きないか心配」という疑問については、私と友人、そして信頼している沢山の方に意見を頂いて作ったサイトがあります。

→ 「緊急避妊薬ノルレボの市販薬化について全力で答えるQ&A

 友人と沢山イラストを描いてできるだけわかりやすく作ったサイトですので、是非ご覧ください。

 例えば「普段コンドームを使ってセックスをしているけれども、セックスが嫌で嫌でしょうがない女性」が居たとして、その人が「毎日ピルを飲んだらもっと避妊率が高くて安心できるよ」というようなことを言われたとしても、それを好意的に受け取れることは少ないでしょう。

 あるいは
そんなことをしたら『ピル飲み始めたの? 中出ししたい!』と彼氏が言い出す
 と言われてしまうかもしれません。

 最近twitterで回ってきたツイートで「低用量ピルの種類についての感想」という内容のものがありました。リツイート数は1,100を超え、多くの方の目に留まったようです。
 低用量ピルの説明エントリで書いたように、黄体ホルモンには沢山の種類があり、使用感覚が多少前後します。それらについて、私はこの種類はこのような感じだったよ!という内容で、概ね種類ごとに言われている反応と合致するものでした。

 そしてその末尾はこのように締められていました。
 「飲んでいることを伝えると多くのパートナーは生でしたがるので言わない方がいいです

 言わんとされていること、その背景はわかります。

それぞれが持っている「背景」はそれまでの人生そのものだから

 「リプロダクティブヘルス / ライツ」という言葉をご存知ですか。
 日本語では「性と生殖に関する健康・権利」と訳されるようです。

 リプロダクティブヘルス / ライツを、ものすごくわかりやすい一行にするなら、 

自分で情報を取捨選択できて、自分のことを自分で決められる自立した女性になること

 になるのではないかと思います。

 前述の「ピルを飲んでいることを伝えれば生でしたがるから言わない方がいい」という言葉は、私自身一度も、誰にも言ったことがありません。そういう考えがあるにはあるだろう程度の認識です。

 その言葉の背景には「二人の関係性」があってこそですし、その関係性は二人が一緒にいた時間とそれ以外の時間の積み重ねで成っています。つまり「言わない方がいいかどうか」は「その二人による」わけです。その判断は「自分でしていい」「自分でするべき」なのです。

 「その判断を自分でできるようになって」自分で出した結果と、「パートナーに言えば生でしたがるから言わない方がいいと見たので言わない」と判断した結果は、例え結果が同じでも過程は大きく異なります。

 どちらが「自立した女性」と言えるでしょうか。

選択肢がない日本の女性

 リプロダクティブヘルス / ライツとは、自分自身の性的なこと、セックスをしたり子供を産んだり育てたり、ということはすべて「権利」であるという考えです。
 ということは、誰かにセックスを強要されたり、誰かに出産・堕胎を強要されることは権利の侵害であるとなります。

 人は「衣食住」の上で人間的な生活が送れます。また食欲睡眠欲性欲の上で人類の発展がありました。
 そのうちの性欲に関しては、性欲がなければ人類は衰退してしまいます。
 しかしだからといって、国が「すべての妊娠を堕胎することを禁ずる」などとすれば、個々の人生を軽んじていることになり、それは人権侵害と言えます。

 幸福を追求することはそもそもの人間の権利であり、すなわち「どのタイミングで妊娠をして出産をして幸福な人生の計画を立てるかどうかは自分で決められる」あるいは「産まない人生を選択できる」こと自体が、権利であると言えます。

 少し年を重ねて収入が安定し貯蓄が出来て経済的能力的に不安がなくなってから出産を迎える状態と、若くてバイトしかしていない状態で出産を迎える状態では、その後の人生が大きく変わってくるのは誰が考えても明らかでしょう。
 よほど「若い時に産みたい」という思いがない限りは、前者の方が安定した幸福度の高い人生になる予感がしませんか。

 国は「マクロ的視点」においては、「多数の選択肢を選べる状況」を用意することが結果的に「国民の幸福追求」「少子化対策への一歩」になります。

 例えば「今妊娠・出産してしまえば経済的にしんどくなる」状況の人が、「妊娠してしまい」、「出産を選んでも中絶を選んでも長期的・短期的に金銭的圧迫になり貧困へ繋がっていく」というケースは多々あります。

 近所の鬱陶しいオジサンの「若いんだから産め! 少子化なんだから!」なんて言は、人の人生を無視した短絡的な発言であることがよくわかります。国民個人が、政治的視点を強引に自分の生活に繋げて発言する必要なんてないのですから。

 「出来たら産ませれば少子化対策になる」というわけではないのです。
 むやみやたらに色んなものを禁止して無策に産ませた結果は「貧乏人の子沢山」にしかなりません。

避妊の選択肢があるということはひとつの権利

 しかし現状は、冒頭の通り「避妊についての薬剤が基本的に10倍以上」の日本です。
 お金が無ければセックスをしてはいけないというなら、それは人類としての性を無視していることになりますし、お金がなければ万が一強引な行為をされても緊急避難的に薬を買いに行くということもできません。
 もちろんそういった犯罪的ケースの時には警察に行けば諸々の費用を持ってはもらえますが、すぐに警察に駆け込める強い心を持った人はそんなに言うほどは居ません。

 「ノルレボ」がOTC候補にあがりましたが

 病院でしか受け取れない薬剤のことを「処方箋医薬品」「処方薬」と言います。
 ドラッグストアなどで処方箋無しに購入ができる薬剤のことを「一般用医薬品」「市販薬」と言います。

 海外でも市販薬にされている「ノルレボ錠」が、今回「市販薬化候補」に上がりはしたものの、結論を言うと「医会・医学会などが時期尚早と反対意見を出していて叶わなさそう」という状況です。ちなみにOTC医薬品協会は可という意見を出しています。

 検討会は国民に対してパブリックコメントを募集していますので、気になる方は是非、このエントリや冒頭のページ、当該会議の議事録(正直ちょっとアホらしくて真面目に読む気にもならなかったのですが)をご覧頂いて、コメントを送って頂ければと思います(「要望された成分のスイッチOTC化の妥当性に係る検討会議結果」に関する御意見の募集について」)。

 あなたの関心や意見が、日本の女性の権利状況を変えていきます。

 togetterにノルレボ(レボノルゲストレル)の部分だけ抜粋されているので、まずはこちらを読んで頂き、
→ togetter「緊急避妊薬市販薬化見送りに関するパブリックコメントのお知らせ

 (議事録引用以降はツイッターの各反応まとめになっていますので特別読む必要はないと思います)

 意見がありましたら、是非意見提出フォームへ
 2017年10月10日までの受付です。
→ 総務省行政管理局eGov「要望された成分のスイッチOTC化の妥当性に係る検討会議結果」に関する御意見の募集について

 下部にフォームへのリンクがあります。
 国が運営しているサイトなので、表示エラーのようなものが出ても許可してもらって大丈夫です。
 名前住所の入力がありますが、強制ではありません。最後によくある画像の数値入力で完了です。
 長時間このフォームで記入した後に送信するとエラーが出る恐れがありますから、あらかじめ文章をメモ帳などでまとめて作っておくか、書いた文面を念の為一度コピーしてから送信を押して下さいね。

おまけ

 当該議事録において、国立国際医療研究センター病院副院長「矢野先生(参考人)」は、「性交渉が月経周期のどこの時期であるかということが、実は最も重要なのです」という発言をしています。

 この議会において、排卵の時期についての話が必要なのかどうか? 要するに「確実性についての説明」(絶対防ぐことができるわけではないという理解が国民には難しいという旨)だとは思うのですが、時間経過によって妊娠率が上がるがゆえに確実性に欠けるからより早い服用を、という国ばかりの中、「月経周期のどこかが大事という話を公式に説明する謎の国日本」をやっている、この悲しさよ、なんてことを私は思います。
(病院にきた女性の整理周期から排卵時間を予測するなんてことはそもそも不可能です)

 12時間以内の服用であれば妊娠率はわずか0.5%です。
 本当に直後に服用すれば、妊娠はほぼ回避できるのです。


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