第一回 「日本で選択できる避妊方法 (1)」
こんばんは、先日youtubeにピアノ動画をUPしました、瑞谷です
独学初心者もうすぐ一年、ぼちぼちやってます。よろしければ見て頂けると幸いでっす(´-`)
今回は特にまとまった情報の掲載という感じではなく、日本で低用量ピルを飲んできた自分の話をとりとめなく追っていきたいと思っています。
何度か書いてきましたけれども、瑞谷夫婦は付き合い始めた初年度には低用量ピルを使い始めていました。
ですので、低用量ピルを服用始めてからもう16年近く経とうとしています。
35歳になるまでは、基本的に近所の産婦人科に足を運んで低用量の混合ピルを処方してもらっていました。
もくじ
- 1 A医院
- 2 B医院
- 3 C医院
- 4 D医院
- 5 信頼できる医院を探すのは難しい
- 6 実際にとある病院で言われたこと
- 6.1 日本の低用量ピルは海外のと用量が違うから、年齢をそんなに気にしなくてもいいのでは
- 6.2 血栓症を発症しても、危ないと思ったら飲むのを止めたら大丈夫なのに皆生理を軽くしたいからと飲み続ける
- 6.3 看護師さんから「避妊で困ったこととかないですか」って聞かれたので「このままピル継続するわけにもいかないから夫婦どちらかの手術なども検討するだけしてるんですけど…」というと、「え、どういうこと??玉取っちゃうってこと???」
- 6.4 「女性の手術も取っちゃったらホルモンバランス崩れてホルモン剤飲んだりしなくちゃいけなくて大変だよ??」
- 6.5 「僕は国が認めている薬のみを処方する、国の判断に従う」
- 6.6 「ノアルテンで避妊はできないしすべてのホルモン剤は血栓症になる可能性が高くなる」
- 7 30代中盤だったら出産しているのが当然?
- 8 今現在の私達は……
A医院
20代前半の初めての医院
1シート2,800円~後期には確か50円下がって2,750円、2シートずつの処方で半年に一回程度血液血圧検査
先生はもうおじいちゃんと呼んでもいい位の人で、良くも悪くも古風な考えの先生。特に期待はしていませんでした、基本的に必要な情報は自分で調べて行っていたので、飲み忘れで相談をしたこともありません。
この頃に丁度「抗精子抗体」の説明をされたことを良く覚えています。
要するに「中出しすると精子に対して抗体ができるので妊娠しづらくなる」ということを言っているのですが、そしてそれは確かに反応としては存在するのですが、そんなのは「アレルギーになるから卵を食べないで」と言っているようなものです。
あまりに無意味な言説なのですが、当時産婦人科ではこのような指導が流行っていたようです。(どうやら協会から通達されたようです)
B医院
正確な数字は覚えていませんが、1シート2,800円をちょっと超え 半年に一回程度血液血圧検査、身長体重計測
処方は3シートまで ただし半年に一回の検査後には1シートのみの処方になって「1ヶ月後検査結果聞きに来てね」という先生でしたので、3シートの意味なし
そもそも検査結果が出た時点で確認できた異常に対して、一ヶ月後に対応すること自体どれほどの意味があるのでしょうか。海外は一年分、日本でも半年処方の医院が多数存在する時点でお察し下さいという感じです。
それよりも「こんな異常が出たらすぐに受診して」と指導する方がよほど建設的で効果があります。ちなみにそのような説明は一度もされたことがありません。(先生を擁護するなら、自分で勉強している感を所々出していたことと、その時点で服用歴7年経過していたことは挙げられますが)
先生はとても良い人でしたが、どこまで避妊に力を入れられているかはちょっと読めない先生でした。深くやりとりもせず普通に処方してもらっていただけなのでわかるわけがないのですが…
C医院
こちらも2,800円前後 4シート処方 短期間過ぎて覚えておらず
引越しの為病院が変わり、次の先生は良くも悪くもフランクな人で、全体的に雑。特に内診が雑で唯一痛かった先生。結局都合により2回しか行きませんでした。
D医院
2,800円強、6シート処方 半年に一回血液血圧検査
「長く飲んでいるからいいよ」という説明をされましたが、他の方も同じように6シート処方されるのかは不明。
信頼できる医院を探すのは難しい
結果的には、ということなのですが、最後のD医院の先生が最も信頼できないなと感じていました。
これは日本の状況として仕方のないことだとは思うのですが、地方の多くの産婦人科は、主な業務が「出産」になるので、避妊に力を入れている医院自体がとても少ないです。
本当にとりあえず扱っている感じで、日本の低用量ピルガイドラインにざっと目を通した程度の様子です。
逆に、各都心なら「避妊や治療をターゲットにしたレディスクリニック」が多くあるので、その中には本当に真摯に勉強されている先生もいらっしゃるのですが、残念ながら全員がそうというわけでもないようです。
そういう医院は競争もあってか低用量ピル自体の価格も比較的安価に設定されていて、地方と比べると大きければ1,000円ほど違ってくるようです。
日本の産婦人科の先生を嘲るわけではないですけれども、少なくとも低用量ピルに関しては「なんたって先生なんだから先生の言ってる事は正しいに決まっている」と思って信頼するのは、悲しいかな不用心だと思っています。
実際問題、日本で産婦人科医に向けて通達されている「低用量ピルガイドライン」は、海外のガイドラインと比べると不明瞭であり、あまり筋が通っていない(あるいは説明不足な)点も見受けられます。
その説明文や指導を真に受ければ「万が一」のこともあるのではないか?と心配する程です。
ですので、ピルについて先にご自分で勉強してから向かわれる方が、本当に自分の為です。
間違った対応をして妊娠してしまうのは自分なわけですから。
実際にとある病院で言われたこと
もちろん素晴らしい先生もいらっしゃいます。それをちゃんとお伝えした上で、D医院の先生のおっしゃった覚えている限りのいい加減な言説を書き留めておきます。
日本の低用量ピルは海外のと用量が違うから、年齢をそんなに気にしなくてもいいのでは
(もちろん日本人向けに用量を減らしているとかそんなことはない)
血栓症を発症しても、危ないと思ったら飲むのを止めたら大丈夫なのに皆生理を軽くしたいからと飲み続ける
(発生した血栓がどうして飲むのを止めるだけで消えてなくなるの?)
看護師さんから「避妊で困ったこととかないですか」って聞かれたので「このままピル継続するわけにもいかないから夫婦どちらかの手術なども検討するだけしてるんですけど…」というと、「え、どういうこと??玉取っちゃうってこと???」
(看護師さんとはいえ産婦人科なのにパイプカット知らんの??)
「女性の手術も取っちゃったらホルモンバランス崩れてホルモン剤飲んだりしなくちゃいけなくて大変だよ??」
(看護師さんとはいえ女性側の卵管結紮さえも知らんの?? 結ぶだけだから卵巣そのままで活動は通常の状態)
卵管結紮(らんかんけっさつ)は、卵巣の活動はそのままなので排出されるホルモン量は変わらず、基本的に月経の状態は普通の人と変わりません。
余談的な難しい話になりますけれども
「僕は国が認めている薬のみを処方する、国の判断に従う」
(その国が半ば推奨したような処方判断のピルで異常な数の女性が死んで行ったんだけれど…せめて先生達が個人的にでも勉強してくれていたらそんなことにはならなかったよ)
「ノアルテンで避妊はできないしすべてのホルモン剤は血栓症になる可能性が高くなる」
※ ノアルテン錠はそもそも海外で避妊用のミニピルとして開発されたものだけど、日本ではあくまで黄体ホルモン単剤の治療用として認可されていて避妊効果を認められていない。だけどもちろん避妊用ピルなので避妊は可能。また黄体ホルモン単剤のピルで血栓症リスクが上がるというエビデンスは存在しない
※ 日本のピルにはそんな風に治療用として認可されたけれど本当は避妊用に作られたヤツってのがゴロゴロある
最後の件は私の無茶を承知でお願いしたものだったのですが、最終的には遠まわしに「もう来ないで」というニュアンスのことを言われ、通常行っていた血液検査を無し(結果の受取が必要な為でしょう)、血圧検査のみにされ、1シートのみの処方という対応にされました。まま面倒な客でしたのでしょう。
日本でも一応「低用量の混合ピル」は利用可能になりましたが、「低用量の混合ピル」は35歳以上は血栓症リスクが格段に上がる為、基本的には服用できません。海外ではその他の避妊方法に切り替えていく時期です。例えばミニピルだったりミレーナだったり。
日本には真っ当なミニピルは存在しません。経産婦でなければミレーナはかなりの確率で挿入は不可能です。つまり、30代の未産婦、経産婦でも「入れたくない」「入れられない」という人にとっては、確実な避妊方法なんて、いまだ存在しないのです。
既にピルを利用してきた人間にとって、コンドームの不確かさについては説明不要でしょう。
30代中盤だったら出産しているのが当然?
子供を望まない夫婦もいれば、身体的に妊娠してはならない・できない夫婦もいるでしょう。そんなのは人それぞれ、夫婦それぞれです。そうするのが当然だからという誰かの価値観で、他人の選択を左右してはならないのです。選択できる社会にしてこそです。
政治的な・マクロな問題で「少子化対策の為に子供を増やさなければならない」ということを、個々の人生に当てはめ、ミクロな問題として扱い個々に「子供を産みなさい」と訴えることは、人ひとりの人生の軽視にしかなっていません。
「政治によって自分の人生の価値や正しさを決められる」なんて、本当に正しいことでしょうか。
(もちろん自身が子供を産んで「この国に貢献しているわ♪」と思う事は自由です)
今現在の私達は……
さて、今現在の私達はと言いますと、結局低用量混合は年齢的に限界と思い、またミレーナという子宮内避妊システムについては挿入が不可能と言われた為、とても悩んだ結果大半私の判断で、個人輸入でミニピルを飲んでいます。
頑張って探せばミニピルのノアルテン錠を処方してくれる医院が見つかったかもしれませんが、もうその時には産婦人科の先生と対面することに疲れてしまっていたので、あくまで自己責任ということで決断し、最終的に夫にも納得してもらいました。
日本にいる一人の女性の、ピルについての経歴ということで長々書いてみました。
なにかの参考になれればと思います。
第一回 「日本で選択できる避妊方法 (1)」
前回 「日本で選択できる避妊方法 (6) 色んなコトのウソホント」