日本で選択できる避妊方法 (1)

書いた人: 妻

 こんばんは、ヤッターマンと珈琲とライターのネタが大好きです、瑞谷です
 ツイッターではこのフリをやると大抵返してくれる友人がいるので私は幸せモノです。

 あんまりこれを書くのは好きではないのですが、セックスは一応「生殖行為」なので、セックスをすれば妊娠する可能性は0ではなくなります。

 なぜ好きではないのかというと、人間は知能的文化的に大変発達し、生殖以外の性行為という側面に強い意味を見出すようになったので、生殖行為だけを目的に限定することは随分と強引な話になってしまうからです。あるいはその路線で宗教戦争まで勃発するような話なわけです。

 「生殖の為にもするけれども、精神的な文化的な意味合いでもする」
 このスタート位置をちゃんと見定めないと、セックスへの肯定感はそもそも生まれません。

 セックスへの肯定感は、大きく二つから成り立つと思っていて、ひとつは性的なモノへの嫌悪感の少なさ、もうひとつは「避妊の確実さがどれだけ得られるか」です。
 性的なモノへの嫌悪感は少ない方がいいし、避妊率の高い方法へのアクセスがより快適な方がいいわけです。
 前者についてはまた後日お話するとして、今日は後者の避妊について、特に海外と比較した日本においての避妊の選択肢についてをお話したいと思います。

パールインデックス

 その避妊方法の妊娠する確率を指数化したものを「パールインデックス」と言います。誤解されがちですが、そのセックス一回で妊娠する確率ではありません
 「その避妊方法を使って一年間セックスをし、妊娠した人の数」がパールインデックスです。

 「避妊方法A」を使って100人の女性が1年間セックスしたとして、そのうち3人の人が妊娠すれば「パールインデックスは3」になります。

 年間のセックス回数は人によって様々でしょう。
 使っている人が雑な人なら物理的避妊だと事故が起こる確率も上がるでしょう。
 その国の人たちのクセ、年齢、学歴(知能)によりどうしても差は出ます。

 ですので、パールインデックスそのものの信頼性というのは、難しい部分があります。それらの背景をすべて値に反映させることができないからです。
 なのであくまでインデックス(指数)として、目安的に捉えた方がいいですね。

 

(以下ピルとのつきあい方より拝借)
 数値前側は、「一般的な使用(初心者さんも含めたすべての人がフツーに使った時の数)
 カッコつきの後ろ側は「理想的な使用(経験値高い人がとても気を付けて使い、明確にミスの原因が分かっている場合は排除した、正確に割と近い値)
 です。

無避妊

 85 (85)

なーんもせず毎回中出しした場合、1年後妊娠している確率は85%ということ
一回での妊娠率になると、おおよそ8%程度と言われています。

抜去法

 22 (4)

 いわゆる外出し でも外に出した!なんて感覚ぶっちゃけ人ソレゾレなので「ちゃんと抜いた」は一体どういう状態を指すのか…
 例えば友人知人の「我慢汁でも妊娠した」は、それが本当かどうか、どういう状況でそうなったのか確認することができない為、単に文字通り失敗した可能性や、あるいは嘘の可能性も考えられるでしょう。

コンドーム(男性用)

 18 (2)

 日本人大好き(?)コンドーム。
 注意したい点は「鉱物系・柑橘系オイルで破れる可能性」
 ハンドクリームや化粧品(口紅ももちろん含む)、ローションなどを事前に使う事は絶対にやめましょう。

 物理的に遮断する為「性病予防にはコンドーム」と言われていますが、すべての性感染症を完全に防ぐことができるわけではないですし、皆が皆万全に使えているというわけでもありません。
 「コンドームを使っていれば大丈夫」ではなく「大丈夫かどうかを先に検査と治療で確かめるべき」です  1個50円~100円くらい

参考:【レビュー】薄いコンドームの使用感を比較してみた

混合ピル・ミニピル

 9 (0.3)

 混合ピルは世界の新しい種類からは一歩遅れて認可がされていますので、世界の旧世代ピルを「新しいピル」として売り出されたりしています。また現行の種類も決して多くはありません。
 基本的に処方薬であり、日本では1ヶ月~6ヶ月分が処方されます(医師の方針によりまちまちです)
 海外では一年分の処方が多いです。
 混合ピルの場合、最も気を付けなければならないことは「血栓症への警戒」です。特に30代中盤からの「初めてのピル」は絶対に回避しなければなりません。
 服用の際には「血栓症の初期症状」についてもよく知っておきましょう。

 日本では現状ミニピルは表向きには処方してもらえません(存在はしています)。  月1,500円~3,000円くらい
 地方はどの病院もまず3,000円前後。都心になると、避妊専門のレディスクリニックで1,500円前後が存在する(ちなみに名古屋は中心部だろうと軒並み2,000円後半です)

参考:日本で選択できる避妊方法 (2) 低用量ピルのこと
日本で選択できる避妊方法 (4) ミニピルのこと

パッチ

 9 (0.3)

 残念ながら日本では認可されていません。
 世界では比較的ポピュラーで、ホルモンを出すシールをお腹とかに貼るもの。
飲まなくていいという素晴らしさがある反面、カブれたりという「貼る」がゆえのトラブルがあります。
 一週間で貼り替えが多かったと記憶しています。

IUD(銅付加)

 0.8 (0.6)

 昔からある「子宮内に金属の輪っかを入れて邪魔をすることで妊娠しないアレ」
 なんでしないのか実際よくわかってないらしい??
 銅付加単体では月経過多、不正出血のトラブルが多く、合う合わないがあるそうです

 緊急避妊として、これを事後「妊娠したかもしれない」という時に挿入する方法が存在しますが、無対策の状態で子宮入口を開けこれを挿入するというのは「外性器から膣内に性病のウイルスや菌が存在していればとてもリスキー」な為、日本では実行が難しい緊急避妊法と言えます

IUD(ミレーナ)

0.2 (0.2)  金属の輪っか入れたら妊娠しないなら更に黄体ホルモンちょっとずつ出せば更に確実で月経も減っていいじゃ~んと作られたのがミレーナ。普通のミレーナは経産婦しか入れられない(中には運よく入れられている出産経験ない女性もいる、サイズの問題)

 日本でも認可されました
 日本では6万円くらい(月経困難症とかなら保険適用)で5年間の有効期間
アメリカで7年間 ヨーロッパだと10年間
 海外には出産経験のない人向けのサイズダウンしたものも存在するけど残念ながら日本では未認可

インプラント

 0.05 (0.05)

 注射で皮下にホルモンをちょっとずつ出す薬剤の入ったカプセルみたいなやつを埋め込む。3年くらい持続する。日本ではまだまだ未認可

 交換、摘出時には少し切開をしなければなりません
 まだ実用化はされていませんが、長期間インプラントの「オンオフを切り替えられるタイプ」が開発されています。妊娠したくなった時にわざわざ摘出をしなくてもよくなるということですね

手術法(女性)

 0.5 (0.5)

 いわゆる卵管結紮(けっさつ)
 基本的にもう産まない人用です

 卵巣から子宮までの間の管を物理的に遮断してしまいます。(縛る、切断し結んでおく、クリップで留める、電気メスで焼き切ってしまう等)
 数日入院が必要
 ただ間の管部分が不通になるだけなので、排卵そのものはしますが管を通れないので体内に吸収されます。またホルモン値は通常と変わらないので、通常通りの周期で内膜は形成され月経も起きます(ピルのような月経量・月経痛減少も無い)。

 人体には治癒能力があるので、本当にごくごく稀に、卵管そのものが治癒され復旧、結果卵管結紮したにも関わらず妊娠する人が現れます。

手術法(男性)

 0.15 (0.10)

 いわゆるパイプカット 基本的にもう産まない人用です。
 女性の卵管結紮と同じように、管部分を数ミリカットして取り除き、それぞれの口を一度焼き切ってからクリップ等で留める等がなされます

 こちらも同様に、ごくごく稀に自然治癒で精管が復旧する方がいらっしゃいます。生命とは不思議なものですが、まずありえません。
 手術法はどちらも復旧が不可能です。一応どちらも再建手術に成功例がありますが、諸々の事情によりあまり上手くはいっていないようです。

 今現在も世界で使われてそうなところだけ挙げました。

コンドームは万能か?

 とにかく日本人の避妊選択はコンドームが圧倒的です(使用率がものすごく高いというわけではない)。それは結局「コンドームしかまともに使える避妊が存在しないから」ということの裏返しだとも思います。

 実際コンドームに関しては日本より高い国もあれば安い国もあります。あるいは保健所的な所に行けば無料で配布していたりもします。でもそもそも使われている率、その他もっと確実性の高い避妊方法の普及率が違うので。
 コンドームはどちらかというと感染症大丈夫かな?と思う相手とする時のグッズというか…

 日本では性感染症が~と呪文のようにコンドームを必須みたいに言う人がいるけれども、コンドームを付けたからといって絶対に感染症が移らないとは言えないので(オーラルセックス、体液を触った手で違う所を触ったり、陰毛にコンドームは被せられない…)、コンドームは感染症予防に必要だけれど、それは検査と治療あってのことです。
 検査してないのに「私達コンドーム使ってるからダイジョブダイジョブ!」って、保持し合ってるのに気付かなければ無意味も無意味なのですから。

ピルについて、世界との比較

 次に挙げたいのが低用量の混合ピル。
 アメリカは保険が基本民間なので保険の種類によって違うけど無保険の場合は日本の都内↑くらい
 フランスは300円弱 ドイツは500円強くらい
 そもそもヨーロッパは国によってはティーンには無料
 ヨーロッパではティーンの避妊第一選択がこの低用量ピルになっています。

 ミニピルと混合ピルは別のものです。
 一応挙げてはいるものの、日本国内での処方に限るならちょっと現実的ではありません。存在は一応しているものの、理解ある先生を探さなければ処方はしてもらえないので。
 海外では比較的少数派のピルですが、混合ピルのデメリットである「年齢が高ければ高い程ある血栓症リスク」が無いので、出産後の女性、30代の女性に根強い需要があるそうです。

 海外では上記のように価格自体が違い過ぎることと、日本よりもアクセスが遥かに良いのでとてもスタンダードな避妊法になっています。
 日本は数カ月に一回(ひどい所は1ヶ月に一回とか)病院にわざわざ行き、長い待ち時間を待ち、わざわざ先生と面談し、病院で処方してもらう。しかもめっちゃ高い。

 なので、避妊に対して意識高い系しか低用量ピルを続けることはできません。月3,000円も避妊に掛けるなんて、いくら女性側の経血量月経痛減少とかメリットがあったとしても、ハードルが高過ぎます。

私はミレーナが入れられなかったので…

 その次に一応日本で選択できる現実的な避妊方法がミレーナです。これはほぼ経産婦限定で、子宮サイズがある程度ないと挿入自体が不可。私は元々そんなに大きくない上に、低用量ピルをずっと飲んでいたので内膜がごくごく薄く、子宮そのものが小さくなっていた可能性があり挿入は残念ながら叶いませんでした。
 しかしサイズがあれば経産婦でなくとも入れられる人がいるので、一応相談されてみても……
 現状の日本で最もコストパフォーマンス良いものの、どちらかというと30代以降向けといったところ。

 さて、私達が現在使用している避妊方法は……ルート的には上記のどれでもありません。
 この話はまた、追々。

 

次回 「日本で選択できる避妊方法 (2) 低用量ピル


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