色々なピルを紹介していくよ (2)

書いた人: 妻

前回 : 「色々なピルを紹介していくよ (1)

 

 もしピルについてを探していてこのページに辿りつき、これがピルについての初めての記事ということであれば、ピルはただテキトウに数錠飲むだけで避妊が出来る薬ではありませんので、必ずピルの飲み方についての記事を読んで下さい。

→「日本で選択できる避妊方法 (2) 低用量ピルのこと
→「日本で選択できる避妊方法 (3) 低用量ピルの飲み方

 こんばんは、瑞谷です

 今日はミニピルと緊急避妊薬の種類について書いていきます。
 それぞれの説明については、
日本で選択できる避妊方法 (4) ミニピルのこと
日本で選択できる避妊方法 (5) 緊急避妊のこと
 こちらのエントリをご覧ください。

 特にミニピルについては、混合ピルとは飲み忘れ許容時間が大きく異なり、とてもシビアになります。
 また、個人輸入ができる種類を紹介していますので、前エントリの「個人輸入について」も合わせてお読みください。

日本で処方される可能性のある唯一のミニピル

ノアルテン錠


(画像引用:ピルとのつきあい方)

 プロゲステロン:5mg (第1世代 ノルエチステロン)

 ジェネリックに「プリモルトN」が、その他銘柄違いが複数あります。
 日本では完全に「婦人科の治療の為に認可された薬剤」で、生理日の調整や女性ホルモンのバランスを整える場合などに処方されます。

 現状ではノルエチステロン5mgという用量はかなり多めになっており、もし本当にノアルテン錠を処方してもらえることになるならば、ピルカッターなどで半分に割って半錠/1日程度の服用でも大丈夫です。

 日本の婦人科医の中で「ノアルテン錠は元々(広義には)ミニピルであり避妊ができる」ということを認識している医師の方が稀です。
 もし「適応外処方だけどノアルテン錠を処方する、割って半錠ずつ飲んで」とまで説明されたのなら、その先生はとてもよく勉強されている先生であり信頼できると思います。

比較的ポピュラーなミニピル

 ミニピルは英語圏の略称では「POP」と言います。プロゲステロン・オンリー・ピルの略ですね。

 黄体ホルモン(プロゲステロン)と、卵胞ホルモン(エストロゲン)の両方の女性ホルモンを合わせたピルを混合ピル(コンビネーションピル)、つまり黄体ホルモンだけのピルのことをミニピルと言います。

ノリディ

プロゲステロン:0.35mg (第1世代 ノルエチステロン)

 どこの代行サイトでも見掛ける、とてもポピュラーな銘柄です。
 第1世代プロゲステロンなので、アンドロゲン作用は比較的軽い傾向にあります。(ニキビや体毛変化などが出る傾向はあまりない)ミニピル全体の特徴として共通しますが、連続服用が基本の為、消退出血(月経)が稀に、いつくるかわからなくなります。基本的に通常の出血よりも量は少なくなります。

 飲み忘れ許容時間は3時間、休薬期間は無しです。

 同用量で「マイクロノア」などがあります。

セラゼッタ

プロゲステロン 0.075mg (第3世代 デソゲストレル)

 私が今飲んでいるミニピルです。

 第3世代デソゲストレル単剤で、ミニピルの中でも「排卵を強く抑制する」と言われています。その為飲み忘れ許容時間が3時間の所、12時間まで大丈夫という製品になっています。

 第3世代の特徴はアンドロゲン作用が少ないことで、ニキビや多毛といった男性化症状がほぼ無いメリットがあります。

 私自身はもう長い間ピルユーザーをやっていますので、個人の使用感というのはあまり参考にならないと思いますが、特にニキビが出るとか気分が悪いとかいう症状を自覚したことはなく、切り替えの時にも特に何も問題ありませんでした。

マイクロバル

プロゲステロン 0.03mg (第2世代 レボノルゲストレル)

 個人輸入代行サイトでもあまり見掛けませんけれども、一応。
 レボノルゲストレルは「緊急避妊薬ノルレボ」にも使われている、第2世代黄体ホルモンです。

 傾向としてはアンドロゲン作用が強く、ニキビや多毛のような症状が見える場合があります。
 飲み忘れ許容時間は3時間、連続服用です。

緊急避妊薬

 緊急避妊薬は、モーニングアフターピルとも言われ、不慮の事故、ミスなどのセックスがあった場合に、事後の避妊方法として確立しました。

 日本では産婦人科を受診すれば処方されます。
 その場合、医院によっては「安くてちょっとしんどい方と、高くてあまりしんどくない方」のような説明がされるかもしれません。
 前者は「ヤッペ法」といわれる代替法、後者はこれから書いていく「レボノルゲストレル1.5mgによる緊急避妊」であることが多いです。(中には高い方しか処方しない医院もあります)

→「日本で選択できる避妊方法 (5) 緊急避妊のこと
→「緊急避妊薬の働きについて考える

 事後避妊薬は常用することが目的の避妊方法ではありません。
 また、着床してしまっている場合には効果がありません(それができるのは堕胎薬です)。

 事後避妊のデメリットは、

・避妊の成功が確認できるのが服用よりも随分後になる
・避妊率は100%ではない

 という点です。

 前者は、月経周期的にどの位置で飲むかにより、その後の消退出血が何日後に来るかが変わってきます。
 その為、数日で来ることもあれば3週間ほど後に来る可能性もあります。その間「本当に妊娠が回避できたのだろうか?」と不安に思いながら、出血を待つことになります。
 消退出血があれば妊娠しなかったことが確認できます。
 あるいは日が経たないと妊娠検査薬は使えません。

第二世代緊急避妊薬 ノルレボ(ジェネリック多数)

プロゲステロン 1.5mg(第2世代 レボノルゲストレル)

 他国ではとっくにスタンダードな緊急避妊薬(アフターピル)です。
 レボノルゲストレルを1.5mg服用することで、事後避妊が可能になります。
 日本でも婦人科・産婦人科に行けば処方されます。一回分およそ15,000円~30,000円程度(卸値が高く価格設定が自由な為、医院によって差があります)

 72時間(3日)以内にできるだけ早く服用します。
 その為72時間以内ならいつでも良いということではありません。
 (また、72時間を超えれば全く効果がなくなるということでもありません)

 24時間服用が遅れるごとに、妊娠する確率は3倍に増えていきます。
 12時間以内の服用なら、妊娠率はわずか0.5%に抑えることができます。

 つまり緊急避妊薬は「飲むのが早ければ早い程、妊娠回避率が高い」
 なので、もし個人輸入などでピルを購入されることを決められたら、一緒に「お守り」的にひとつ購入をしておくと、もし万が一の時にも安心できるでしょう。
 ピルを飲んでいたら絶対に大丈夫ということではなく、飲み忘れが連続してしまったようなケースでは、緊急避妊を取る方が良い場合があります。

 あるいは最悪、お友達や知り合いの万が一の時に分けてあげることもできます。自己責任の個人輸入のものを、更に他の人にという事態はとてもリスキーですが、もし妊娠してしまう状況を考えればマシです。
 ただし、それを販売・利潤目的にしてしまうのは法律的に問題があります。

 多数の銘柄違い、ジェネリックが存在します。以下にリンクを貼っているものは、すべて同成分同用量になっています。
 2錠になっている製品と、1錠だけの製品がありますが、どちらもその1シートが1回分ですので、2錠の場合には「一度に2錠」飲んで下さい

 1錠ずつ12時間に分けて飲む説明もされている場合がありますが、一度で大丈夫です。

 海外では多くの国で市販薬化されており、薬局で購入することができます。

第三世代緊急避妊薬 エラワン(エラ)

抗黄体ホルモン剤 30mg(ウリプリスタール酢酸エステル)

 ノルレボよりも更に新しい緊急避妊薬です。
 子宮内膜への作用で、効果が期待できる時間がノルレボよりも更に長い120時間(5日)以内となっています。

 効果が期待できる時間が延びていても、服用が早ければ早いほど確率が高いのはエラも同じです

 エラワンはヨーロッパを主体に認可販売された銘柄で、今は製造中止しているそうです。代わりにアメリカ主体の「エラ」が現在の主流で、成分用量的には同じものです。

 海外ではこの「エラ」も市販化されており、薬局で購入することができます。

 

色々な手段があることを知っていきたい

 日本国内だけの視点のままなら、選択肢は比較的限られてしまいます。

・コンドームじゃないと感染症は防げない
・生挿入は不誠実
・コンドームを使うことが誠実さの証
・ピルは危ない
・ピルは高い(実際高い)
・ピルはヤリマン
・ヤリたいだけの男に飲ませられる

 沢山の、とてもとてもつまらない価値観に縛られて……いえ、変える気のない価値観のまま、不便な性生活を送ることは果たして幸福なのでしょうか。

 知ることができれば、もっと楽しく便利にできる。幸せにできる。
 不幸な女性を減らしたい。辛い思いをしている女性を減らしたい。

 こういう情報発信をする人間の思いはひとつ、「女性の選択肢を広げたい」
 そして結果的には、「その人の幸せに繋げたい」なのです。
(幸せにするのは他人の力ではないですけれどもね……)

 どうか情報を得て、自分の中で整理して、一番いい方法を選んで下さい。


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オナホール2

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