こんばんは、瑞谷です
最近amazon echoに申し込みました。
本当に招待メール送って貰えるのかなあとワクワクしていますが、うちには連携できるアイテムがほとんどありませんので、単なる面白ガジェット的な位置付けになるかも。
将来どんな風な使い方ができるかという所に期待ですね。アレクサさんには猫の名前とか覚えてもらえるのかなあ?
さて今日は、ピル以外の科学的避妊について、少し書いていきたいと思います。
個人輸入できる種類も紹介していますが、購入の前に「個人輸入について」をお読みください。
また個々の個人輸入によるトラブルについての責任を瑞谷は負うことができません。
必ず、
・日本で選択できる避妊方法 (2) 低用量ピルのこと
・日本で選択できる避妊方法 (3) 低用量ピルの飲み方
この2エントリをよくお読みになって勉強して下さい。
もくじ
日本で選択できる「科学的避妊法」
何度か書いていますが、現在の日本で選択できる科学的な避妊方法には、
・低用量ピル
・子宮内避妊システム「ミレーナ」(IUS/IUD)
の、実質2種類になります。
IUDそのものは科学的避妊方法に分類できると思うのですが、このエントリは薬剤付加のみを扱うという意味で書いていますので、銅付加等は除外させて下さい(このサイトだけの分類と思って下さい)。
日本の低用量ピル
日本の低用量ピルは、海外と比べるととても値段が高く、認可されている種類も少ないです。
低用量ピルそのものについては過去にエントリがありますので、詳しくはそちらを参照下さい。
「日本で選択できる避妊方法 (2) 低用量ピルのこと」
「日本で選択できる避妊方法 (3) 低用量ピルの飲み方」
ピルの認可は1999年。
“避妊用”の低用量ピルは、当時と比べると金額も種類もさほど変わっていません。
ユーザー数についても、ほとんど横ばいです。
日本のIUD
ミレーナは大別すると「IUD」という、子宮内にアイテムを挿入するタイプの避妊方法に分類されます。
IUDの歴史は意外と長くて、1928年には開発がされたそうです。
子宮内に異物があると着床がなぜか阻害される(でもなんでかはよくわかっていない)というスタートから、更に銅を付加することで銅イオンが子宮内膜に必要な酵素の活性を阻害し着床をより防止できる(という説が有力)銅付加IUDが開発されました。
そこから分岐して、プラスチック系の本体に黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を長期間放出できる機構を併せ持った、IUS「ミレーナ」が開発されました。
日本はIUDの認可も海外と比べるととても遅く、海外が銅付加IUDを主流にしている頃にやっとノーマルIUDを使っていたというような状態です。
銅付加IUD
子宮内避妊システム「ミレーナ」
レボノルゲストレル:52mg
日本版ミレーナはバイエル社より発売
2008年に日本でも認可されました。
日本のミレーナも海外のミレーナも用量は同じです。
IUDの基本的な考え方に加えて、更に黄体ホルモン・レボノルゲストレルを長期的に放出することで弱いミニピルのような効果を期待できる「避妊システム」です。
子宮内に挿入するものなので、個人で使用することはできません。
婦人科を受診して処置をしてもらう必要があります。
価格は避妊目的の場合、4~6万円程度が多いようです。
日本での挿入後使用可能年数は5年。(海外では7年間有効である研究結果により7年に規定している国もあります)
3cmほどのアイテムを子宮内に挿入するので、子宮の口を少し広げる処置が必要で少々痛みが伴います(麻酔有コースを選べる病院もたまにある)
経産婦(出産を経験した女性)だとまず挿入が可能、子宮のサイズによっては未産婦でも挿入できる場合がありますが、多くの場合難しいようです。
その為、海外では未産婦用にひとまわり小さいサイズのものがあるそうです。
用量そのものはレボノルゲストレル52mgになっていますが、初期の一日あたりの放出量は0.02mg、五年後には放出量は半減、そこまでの平均値は0.014mg程度になるそうです。
この値は、同種黄体ホルモンのマイクロバルで0.03mgという所から考えると「あまり排卵を抑制しない」ということが予想できます。また子宮内膜の抑えにもそんなに大きくは効果を得られない可能性が高いです。
排卵に伴ってPMSなどが辛いという方、月経量が多くてもっと減らしたいという方には、低用量ピルやセラゼッタなどからの切り替えの場合むしろそれらが増えてしまう可能性も考えられます。
避妊パッチ「エブラ」
ノルエルゲストロミン:6mg(0.2mg/日平均)
エチニルエストラジオール:0.6mg (0.03mg/日平均)
日本では未認可です。
薄いサ○ンパスのようなシールを、おなか周辺、腰やお尻、または二の腕に貼る避妊アイテムです。
成分的理論的には低用量ピルと同じで、黄体ホルモン「ノルエルゲストロミン」と卵胞ホルモンを一定量放出し、経皮吸収することでホルモン量をコントロールします。
一週間ごとの貼替になり、同じ曜日できるだけ同じ時間に貼り替えます。
低用量ピルと同じで、3週間続けて貼った後には、休薬として一週間貼らずにお休みします。
貼り忘れ、剥がれてしまっていたという場合の対応も基本的に低用量ピルと変わりません。(ただしピルのように追加服用ができないので、数日間の貼り忘れには慎重な対応が必要だと思われます)
パールインデックスは、ピルと同じ、一般的な使用で「9」、理想的な使用で「0.3」です。
ピルのように毎日服用をしなくてもいいという反面、毎週の貼替の手間、そして「貼るアイテム」特有のかぶれ、粘着剤のネトネト、貼り跡などの問題があります。
ピルと同じように、それらも平気な人は平気という感じですね。
普通の入浴で剥がれるということはほとんどありません。
貼るタイプは使用薬剤の種類が固定で低用量ピルのように選べないので、体質的に合わないという方もいらっしゃるかと思います。
エブラは個人輸入が可能です。
成分的には低用量ピルと同じですので、低用量ピルについてと低用量ピルの飲み方について(特に血栓症などのリスクと対策)よくお知りになってから使用されることをお勧めします。
もし“経口避妊薬”の利用を一度もしたことがないという方は、可能なら産婦人科処方にて「ファボワールorトリキュラーorアンジュ」を処方してもらい、3ヶ月程度服用された後にこちらに繋ぐことをお勧めします。
購入される前に、こちらを必ずお読みください→「低用量ピルとリスク」
避妊リング「ヌーバリング」
エトノゲストレル:11.7mg(0.12mg/日)
エチニルエストラジオール:2.7mg(0.015mg/日)
日本では未認可です。
5cmほどの太い輪ゴムみたいなものを膣内の奥の方に挿入しっぱなしにする避妊アイテムです。
3週間連続して挿入したまま(セックス時にも外しません)、休薬として低用量ピルと同様に1週間取り外し、その後また挿入というルーチンです。
もし消退出血が続いていたとしても、日数を守って挿入します。
成分的理論的には低用量ピルと同じで、黄体ホルモン「エトノゲストレル」と卵胞ホルモンを膣内粘膜より吸収します。
抜け落ちや挿入忘れの対応は低用量ピルに準じます。
ですので、低用量ピルについてと低用量ピルの飲み方について(特に血栓症などのリスクと対策)よくお知りになってから使用されることをお勧めします。
パールインデックスは、エブラ同様ピルと同じ、一般的な使用で「9」、理想的な使用で「0.3」です。
海外では副作用による訴訟が起きていたようですが、これは恐らくヤーズなどの新しい世代黄体ホルモン使用の低用量ピルと同等の理由で、血栓症発生率が上昇した為ではないかと考えられます。
ヌーバリングも個人輸入が可能です。
もし“経口避妊薬”の利用を一度もしたことがないという方は、可能なら産婦人科処方にて「ファボワールorトリキュラーorアンジュ」を処方してもらい、3ヶ月程度服用された後にこちらに繋ぐことをお勧めします。
購入される前に、こちらを必ずお読みください→「低用量ピルとリスク」
インプラント
エトノゲストレル:68mg
日本では未認可です。
皮膚下(二の腕あたり)にマッチ棒のような太い針のようなものを挿入する避妊法です。
病院での処置が必要ですが、3年程度持続します。
現在のインプラントは摘出時に切開をしなければならず、認可されている国の女性の間ではそれに多少御不満が出ているよう…(跡が残っちゃう!とかイテーよとか)
よく海外に行かれる方が現地で挿入して日本に帰ってくる、という報告を稀に見ます。
もう長期のインプラントの開発に加え、切開して取り出さなくとも外部から効果のオンオフを切り替えられるシステムを研究中とのことです。
日本での認可は当面先か、はたまたされないか……
そのほか
3ヶ月に一回程度の注射で避妊ができたりとかもあるんですけれども、さすがにそれらの種類や使用率等までは見ていません。そもそも避妊の注射の為に3ヶ月に一回も通院とか、超めんどくさいのでそれだったら一年分のピルを貰う方が、私はまだいいかなーなんて思ってしまいます。
みなさんはどうでしょうか。
選択肢は多い方が良いしハードルは低い方がよい
毎日飲むピルは忘れっぽくてダメという人がいます。
肌が弱いので貼るタイプは無理という人もいます。
ヌーバリングは便利そうですが、粘膜が弱くて炎症を起こす人もいます。
体質的にホルモン使用の避妊法がダメな人もいるでしょう。特に混合ピルに使われているエストロゲンは、反応の個体差が大きいです(身体の反応がひとりひとり全然違うということです)。
体質の為に他と比べて信頼性の低い避妊法しか選べないとか、
情報が不足している状態で使用していて本来の効果が得られない、
またはより副作用の発現する使用方法を意図せず取っているとか、
情報を知らなくて次の手が打てないとか、
そういった状況はすべて「リプロダクティブヘルス / ライツ」の視点からは「人権に対してのフォローができていない状態」とも言えます。
ハードルを低くするということは、イイカゲンに手軽に使えるようになるべきということではありません。
使用者にきちんと情報提供し、より良いアクセス、手早いアクセス、避妊は人権であるがゆえに低いコストで効果が得られるように、とういうことを「ハードルを低く」と言っています。