セックスは「してはいけないこと」なのか (1)

書いた人: 妻

 こんばんは、遅いシルバーウィーク中の瑞谷です

 私のセックス観形成について書いていけば、それが誰かの心の軽さに繋がるのかもしれないと思い、このカテゴリを作りました。

 今後書いていこうと思っていることはまだ漠然としていますが、少しずつ自分自身を紐解くためにも、できるだけ誠実に、昔の気持ちを思い出しながら、書いていきたいと思います。

 

 

 私が性的なもの、性的なことに遭遇した最初の一歩は、いまだに思い出せません。私の最も古い記憶では既に、それがオナニーとは知らずオナニーをしていたからです。

 確か最初は枕を足の間に挟むということをしていたと記憶しています。オーガズムがあったかどうかは思い出せません。
 パンツのまま枕にグリグリしていたので、ひょっとすると当時から母親(以下母上)は気付いていたのかもしれません。

 よく父上母上の部屋に忍び込みました。ベッドの下にはエッチな雑誌がたくさん置いてあることを知っていたからです。

 でもその雑誌に関しては、最初のヌードグラビアの女の子がかわいいなあと思い、ベッドの上に広げて並べてにっこりしていたら、その現場を母上に見つかり「そんなもの見ちゃダメ!」と怒られました。
 何が悪いのかさっぱりわかりませんでした。

 見つかって怒られるという場面の、最も古い記憶がそれなのですが、私が覚えていないだけでそれ以前にもあったかもしれません。

 自由帳に、女の人のおまたに棒が刺さった絵を描いていたのを見つかり、こっぴどく叱られた記憶もあります。「絶対にこんな絵描いちゃダメ!」

 映画「たんぽぽ」を地上波放映時?(記憶が曖昧です)見ていた時、ベッドシーンにて
 母上「今見てた! この子見てた!」
 (慌てて三角座りした膝におでこを伏せる)
 祖母「見ていないよ、ほら」
 母上「でも見てた!本当!」
 いや、お前らが実質見せてんじゃねーか……というツッコミをする知恵を、当時の私は持ちえませんでした。

 前後の会話を覚えていないので、唐突な母親のツッコミは実に理不尽に思えますが、確かちょっとずつエッチな感出てくるシーンに対して、流れ的にそういうことを言い出したような、とにかくこれ以上思い出せません。

 日朝早くには父母の部屋から盗み出したエッチ本を見てヌフヌフしていたら、早くに起きてきた母上に見つかり「こんなもの見るのはモイ子しかいないから」

 とにかく散々散々、エッチなものはダメなこと、エッチな自分はダメな子と言って育てられました。
 それでもなんだかんだエッチなものから離れられず、してはいけないことという意識がありながらもオナニーをやめられず、高校生になったのです。

 その頃の私たち世代、今から20年程前の価値観と、今のティーンとのそれは、そんなに言う程は変わっていないのでしょうか。
 例えば…

・多数とは言わないけれども、結構な確率で彼氏・彼女がいる
・彼氏彼女がいる子は、数か月経った頃には大抵「もうエッチしているでしょ」と思われる(稀になかなかしない堅実なカップルもいる)
・エッチの時にはコンドーム…だけどたまに生挿入外出しもある
・時々社会人と付き合ってる女の子が出現する
・彼氏彼女ができたことを家族に言う律儀な子もいれば、絶対に黙っている子もいる
・だけどどちらのパターンの子も、表向きにはエッチなことはしていない設定で生活する(せいぜいキス程度)
・万が一彼氏彼女とバイト代貯めて外泊なんてビッグイベントをこなそうものなら、「友達の家泊まり行ってくる~おかーさんの知らない子」とかなんとか言い訳をする

 思い出す限りこんな感じでした。

 私は彼氏ができたことはそれとなく話すけれど、セックスに関しては一応していない素振り…だったはずなんだけれども、うちの母上は良くも悪くもユーモア溢れる親だったので、「あんたのことだからどうせしてると思うけど」みたいなフリで話を進めるので、していない設定は無意味でした。

 今の夫の前に彼氏が何人いたか、なんてことはさておき、私は夫と付き合い始める20歳の頃まで、基本的にこのあやふやな「本当はしてるけどしてない設定」で一応はいました。そんなよくわからない矛盾設定の男の子女の子って、結構居たんじゃないのかなあなんて思います。

 また、多くの家庭ではこのような「子供にはセックスをしないで健全(?)で居てほしい」「それゆえに自分たちで性教育をしようという姿勢は一切ない」という、あやふやスタンス(というよりそもそも夫婦で子供の性教育についてなんて一切話し合わなかった結果自然な流れで出来た謎スタンス)は、よく見かけるように思います。

 そしてそれは、しょうがないというか、そういうものだと私自身も思っていたので、特に何も言いませんでした。
 ただ、時折何かに振れたみたいに母上が「まったくモイ子は!またこんなの見て!」とエッチなことに好奇心旺盛な私を怒る度、「ああエッチなことはとにかくダメなんだな」という認識だけが深まっていきました。

 なぜなら、幼少の頃から何かを見つけられる度「なんで?」と聞き返す私に、母上は「なんでも!」と答えたからです。

 

 セックスは「してはいけないこと」なのか (2) へ続きます。


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