セックスは「してはいけないこと」なのか (1)
セックスは「してはいけないこと」なのか (2) の続きです。
月経が遅れていることに気付いた私は、とにかく焦りました。
夫は「焦って精神的にしんどくなってもそれはそれで遅れる原因になったりするから、とにかく落ち着こう」というようなことを当時は言っていたように思います。確かにコンドームを付けずに挿入というようなことはしていましたが、それは粘液観察法なんかも合わせてのことで、心当たりはないと言えばないし、あると言えばあるし……
で、結局はすぐに出血があったのですが、当時は本当に冷や冷やしていました。
そこから、こんな経験はもうしてはいけないと、当時で認可から一年程経過していた、低用量ピルを導入することにしました。
これについては二人で散々勉強したような記憶があります。
最初その存在を知ったのはそもそも、当時とても好きだったM女さんのサイトからで、そちらで今でこそ一部で有名になっているrurikoさんの「ピルとのつきあい方」を知ったのです。
当時はもっと手作り感溢れていて(今でもあまり変わらないといえば変わらないけれど、それがrurikoさんらしいというか)、色んな人が相談したり相談に回答したりと、活気に溢れていました。
そこで私達は知ったのです。
「ちゃんと勉強すれば、避妊率はほぼ100%にまでできる」と。
結局二人で病院に行きました。はじめは近所の産婦人科で、先生は大変に古風な印象のおじいちゃん先生。
風俗関係の仕事の人の事を「商売女」と言うし、「心配だったら飲まんかったらエエ」と言う。(そんなに嫌な言い方ではありませんでしたが)
基本的には半々でお金を出したいと言う私と、飲んでもらい身体に負担を掛けるのだからお金は自分が出すと主張した夫。結局時々私も出し、大半は夫がお金を持ってくれるという流れになりました。
当時で1シート2,800円、今はなきトライディオールを処方してもらえました。一回の処方は2シート。2ヶ月に一回先生に会いに行かねばなりませんでした。
「二人で飲んでいる」と考え、飲まなければならない時間にはそれぞれ携帯電話やPCでタイマーをセットし、お互い時間をズラして安全策を取れるようにしました。時間がくればお互いで「飲んだよ」「飲んだ?」のメールを送り合ったのです。
偽薬期間になれば、夫にシートを渡してバトンタッチ、7錠だけでも毎日一回飲んでもらうということもやっていました。これ自体は遊びみたいなもので、ずっとやっていたわけではないのですが。
そうやって、二人でちゃんと避妊をしているという感覚が徐々に固まりつつある中、ある日母上に私は意を決して言ったのです。
流石に黙って飲んでいるのは気が引ける。どこかでそう思っていました。
すると母上は、意外や意外というか……
「去年だったか解禁されたよね」
というような言葉を言ったのです。これには肩透かしというか、なんというか……
今でもその意図はよくわかっていません。その後の言葉もなんだったのか、もう15年近く前のことなので思い出せません。
とにかくそんなこんなで、心配の種はそれでひとつ解決を見ました。
と思っていれば、ある日のことです。
処方してもらってきた低用量ピルのトライディオールのシートを、何の気なしにベッドに置いたままにしてしまっていた時、何も言わずドアを開けて入ってきた妹に発見されてしまったのです。
セックスは「してはいけないこと」なのか (4) に続きます。