ある日のtwitterでのやりとり

書いた人: 妻

 こんばんは、瑞谷です

 お久しぶりの更新です。
 情報としてはあらかた書いてしまった感じがしておりまして、最近はご相談頂いたものにお返ししたり、twitterの方で改めて手短に発信したりという程度で甘えております。

 

 そんな中、丁度昨夜になりますでしょうか、唐突にこちらから声掛けさせて頂き、とある方とやりとりを行いました。主に緊急避妊と低用量ピルについてです。

 API引用ということ、主文は私の解説兼批評、よって正確な引用に相当するとしてご容赦を。

「コンドームのみはお説教案件」

 おっしゃりたいことはわからないでもないです。
 かのDr.北村も「あえてコンドームは避妊にならないと言いたい」という言葉をJFPAサイトあたりで残されています。

 海外では、コンドームが一切使われていないかというと、そんなことはないです。ただ比率としては他の避妊方法が充実しているというあたりから、日本よりも低い所が多かったと記憶しています。
 更にそこに保険として緊急避妊を検討するということは、非常にポピュラーな選択肢と言えます。

「低容量ピルもパッチも市販薬化するべき」(誤字ママ)

 低用量ピル(パッチタイプ等も基本混合ピルと同様の機序)を市販薬にすることは、高いリスクを伴います。(日本でそのリスクが万全に回避されるとは言い難い状況ではありましたが…)
 低用量ピルを市販薬として扱っている国は、実際には一部の発展途上国しかありません。先進国では基本的には処方か、それに準じる手段(国による)、最初以降はOTCなど様々ですが、ノーチェックでいきなり市販薬として購入ができる先進国はありません。

「緊急避妊は負担の軽い堕胎」

 完全にデマなのですが、これをデマと説明してもあまり機序的なお話は理解されないようです。

 緊急避妊そのものは、ヤッペ法・レボノルゲストレル法合わせて「作用としては低用量ピルと同じ」と言えます。短期的にその機序を辿っているという感じですね。
 氏には、堕胎の独自定義をお伺いしたいものです。

2回も3回も緊急避妊を使うのは乱用だ

 1回なら乱用ではないんですね、なるほど。知らなかった。

「ちなみに字間違ってます」と指摘すると

 素直に修正頂けました。
 これ以降、指摘をすると有耶無耶にですが間違いを修正されているので、一応私のツイートは読んで頂けているようです。だからでしょうか、最初に長い説明の連続ツイートを送ったのですが、特にツッコミや「そのくらい知ってます」というようなお返事が来なかったのは。
 どうやら、大抵のお話はご存知なかったご様子ですね。

「避妊の代わりに緊急避妊を使うな」??

 長年twitterをやっていますが、避妊の代わりに緊急避妊薬を使うなということをおっしゃる方は初めて見たかも。無限ループって怖いよね???
 この文、(負担の軽い)堕胎という語に置き換えると意味が通る気がするので、あくまで堕胎扱いとして話を進められているようです。

「低用量ピル反対の人」

 ここまでのやりとりで、低用量ピルについて反対とした言は一度もなかったんですが、どうにも「副作用リスクについて」に触れると反対と捉えられるようです。

「避妊教育の重要性」

 避妊教育が最も必要な方は誰か……という皮肉はさておき、ここまでデマ的ツイートをされている自覚があまりお有りでないようです。
 緊急避妊の推進はしておりませんが、教育は重要です。が、毎回言っていますが「大人になってしまっている人」にはどうやって「教育」をしましょうか。氏のおっしゃる「教育」の一端には、例えばツイッターで見掛けたツイートも、大義には含まれませんか。

ミニピル=低用量ピルとの誤解?

 非難めいたツイートを私はしていますが、氏の担当だった婦人科医が、認可後の低用量ピルをミニピルと説明したという可能性は一応考えられるとは思います。がしかし、氏の言だと割と最近まで服用をされていた、よく知っているというようなご様子。
 そのような方が、ミニピルと低用量を混同するかな……?という疑問はあります。
 確かに中には、ただひたすら毎日飲めばいいと服用を続けて年数経ったけどあまりピルそのものを理解しないまま来た、というピルユーザーが稀にいらっしゃいますが……

 また、私が指摘すると
>「ミニピルって馴染みがないだろうから低用量ピル」という言葉選び
 (わざと)間違えていた言い訳としてはひどいものです。ましてマシュマロの返信には明確に「ミニピルと呼ばれている低用量の避妊ピル」と書かれています。

 素直に「知らなかったです」とおっしゃる方がずっとマシでしょう。この書き方では「ミニピルも低用量ピルもあまり変わらない」という認識を与えてしまいます。

「コンドームの失敗率が40%」「ノルレボの妊娠する確率は15%」

 コンドームの失敗率40%は初めて聞いたかも。ノルレボの「妊娠する確率」15%も、なかなか難しい値です。6%はどうやって出たのかなと思いましたが、単純に乗算ですね。そこは考えられるんだ、すごい。

「ミニピルは通販で買える」「法的にグレー」

 氏がおっしゃる「通販」とは、個人輸入代行のことです。これは明確に違うものです。(通販と認識されている方もいらっしゃいますが……)

 また、個人輸入は法的にグレーではありません。

「低用量ピルの血栓リスクは高くない」

 高くないことには同意できます。
 しかし高くないことを、「合理的に使用する限りほとんどの人は健康リスクを意識する必要が無い程度」と言ってしまうことは女性のリスクを上げる言でしかないし、そもそも合理的使用とは一体どのような使用方法を指されているのでしょうか。

 私が「緊急避妊薬を推奨しているわけではない」「低用量ピルも推奨しているわけではない」ことは、ブログやtwitterをご覧頂いている皆さんにはよくご理解頂けていると思っております。

そして他の方にもアドバイス

 デマを呟く人が、堂々と他の方にアドバイスをしていく様に、ごめんなさい私は我慢できませんでした。その為、大変不躾だとは思いましたが、相手方さんにメンションを送らせて頂きました。読んで頂ける事を願いますが……。

 

>昔のピルは割と血栓リスク高かった

 相手方は低用量の話をしており、それを受けてのことですから、明確に低用量を指しているのでしょう。低用量ピル認可後、追加で認可された種類は実質ヤーズとジェミーナのみです(マーベロンもあるけど…)。この二種類は超低用量で、確かに副作用の減少が期待できます。
 しかしジェミーナはさておき、ヤーズについてはご存知のとおり、第四世代ゆえの血栓症被害をもたらしました。相対的には「血栓症リスクが低くなった」と言う事は難しいのではないかと思います。

 また当然のことながら、今と昔で各銘柄の薬剤の用量が減っているとか、そんなことはありません。(たまにそんな説明をする日本の医師もいるけど…)

※後日製品名の誤記を修正しました

「なぜ低用量ピルが飲めないと思い込んでるんだろう」

 私は、低用量ピルを「お金が出せない人は個人輸入で買って飲むべき」などと、一度も言ったことはありません。それは何故か、前述通りリスクが伴うからです。しかしこの方は、いとも簡単に「飲めない人はいないでしょ」「通販で買えば」というようなことをおっしゃっています。

 低用量ピルが認可されてから、18年程が経ちました。
 低用量ピルの認知度は上がりましたし、その間服用を始める人、辞める人とが散々入れ変わっていき、結果的に服用者数はずっとほぼ横ばいです。ユーザーが増えないのは認知や意識だけの問題ではないのです。

最後に禍根残さずお別れをと思いましたが…

 こちらの気遣いは通じませんでした、悲しい。皮肉もスルーされちゃった。

最後に

 一応氏のフォローをすると、氏のデマ発信の原因として考えられるのは、担当医師か、あるいは看護師あたりでしょうか。もしくは個人の勝手な思い込み……みたいなこともあるでしょうか(それは誰しもあるし、そこを非難してはいません)。

 「ちゃんと避妊しなければならない」という高い意識があるのは本当に素晴らしいことです。その熱意というか、カロリー高いツイートをされているという所も、情報拡散のスタンスとしてはすごく評価されるべきだと思います。
 しかし悲しいかな、その熱意でデマを拡散してしまっている。残念なことです。

 ちなみに私は、氏の低用量ピルを飲んでいたという言は、虚偽か、あるいはごく一時的な服用だったのではないかと感じました。
 本当に服用していれば、低用量ピルを完璧な避妊扱いにはしないし、完璧ではないと知っているし(大抵はミスを経験する)、低用量ピルを服用していても緊急避妊が必要になるケースは発生しうるからです。その大前提が欠けている時点で、少しかじった程度の関わり方だったのではないかと推測します。

 氏にはこれを受けて、デマツイートの修正または削除をして頂きたいなと思います。
 避妊意識の高さの啓蒙については、個々の思想があるかと思いますのでご自由にされればよろしいかと。

 また、氏に知って頂きたいことがひとつ。
 40歳になられたとのこと。35歳以上の低用量ピルは血栓症リスクが高まっていきます。今お休みされているということは、再び最初からの服用スタートになりますから、余計にリスクが高いです。どうか、できれば別の選択肢を検討してみて下さい。それこそミニピル(処方してもらえるケースはほぼありませんが…)や、ミレーナ、コンドーム、それらに合わせて緊急避妊などの選択肢が一応あります。

 

 最後に、私の方の関連ツイートを貼っておきます。よろしければクリックしてツリーでお読み下されば。

 


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4 thoughts on “ある日のtwitterでのやりとり”

  1. こんにちは。
    過激な意見になってしまって大変申し訳ないのですが、正直なところ、緊急避妊薬が乱用されるような状況の何が悪いのかさっぱりわからないのです。(いや、悪いか良いかと言えば悪いでしょうが、中絶とかが問題になるくらいなら緊急避妊薬が乱用される世の中になる方がまだ、ずっといいと思うのです)
    ヤフーニュースのツイッターアカウントで、緊急避妊薬のオンライン処方についてのつぶやきがあった時、見当違いみたいな返信ツイートがたくさんあって驚きました。

    1. こんにちは(´▽`)

      現状の保守? とも言えない、自分の持ってる情報や価値観先入観を変える気のない大人の人達には、いくら正確な情報を唱えてもあまり意味がありません。稀に純粋な知的好奇心を持ってる人なんかがしっかり読んでくれて聞いてくれて、なるほど思っていた物と違うなと反応してくれることはありますが、はなから「緊急避妊?ロクでもないんでしょ」と思い込んでいる層には本当、何をやっても届きはしないのだと思います。

      私はそういう面での打開策はひとつだと思っていてそれは、もうさっさと実装すること。
      現物・実際の運用が、目の前にやってきた後に、自分や身近な人間が使いたい・使うべきかもという場面に遭遇し、初めて「こういう選択肢があるんだ」「実際にはこういうものなんだ」と知るのだと、というか多分それしか良い方法がないのではないかとさえ思います。

      エントリ中に書いた通り、ヤッペ法も黄体ホルモン単剤の緊急避妊薬も、機序としては基本的に通常の低用量・ミニピルと変わりません。ただ集中的に服用することで同機序を短期的に、中スパンでの排卵抑制を狙うというだけのことです。
      そして残念なことに、おかしな反対を書いている人は皆「生理が遅れて不安になった経験が無い人達」なのだと思います。あるいは「そもそも生理がこない性別の人」でしょうか。

      遅れた文明の人に合わせる必要はないのではないかと私は思うのですが……なかなか。

      1. こんな過激なコメントに返信してくださってありがとうございます!!しかも、ブログのエントリと少し話題がずれてしまったような気もしますし。ほんと勢いで書いちゃったので、ごめんなさい。
        わたしは昔緊急避妊が必要になった当事者でもあるので、スマホで処方、みたいなサービスに大賛成ですし、わたしが必要になった当時と比べてずいぶんマシにはなったなと思います。
        男性への性教育がーだとか、そういう状況になるくらいならやるなー、とか本当に自分と違う世界に住んでる人が多すぎて泣けてきます。
        まあ、ほっとくに越したことはないんでしょうし、そういうこと言うような人たちはちょっとやそっとでは全然意見を曲げる気は無いと思いますし。
        私たちができることって、そういう人たちの意見を変えることより、正しい知識を身につけてそれを実行していくということの方ができるし現実的だと思います。

        1. 私も過激なお返事の仕方をしてしまって(´▽`)テヘ
          お書き下さってとてもうれしく思っています。

          私達にできることは、人にわかりやすく説明できるだけの説得力を付ける為に、まずは身近な人へ情報を伝えていけるように、自分自身が勉強していくこと。そしてそれを実際に行動に移していくこと。更に可能であればウェブ媒体でもなんでも、自ら発信すること。なのだと思います。
          個人が少し動いて社会を大きく動かせるわけではないですから(普通の生活でみんなも私も精一杯なわけでして)、でもその土壌の小石のひとつくらいにはなれるようにと、このようなブログやtwitterアカウントをやっています。

          お互い、できることをやっていきましょう(´▽`)

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