生理(月経)というものはとても面倒臭いものである

書いた人: 妻

 こんばんは、瑞谷です

 今日は初心に帰って、女性の「月経」について書いていきたいと思います。

 「みんな知ってる当たり前のこと?

 いえいえ、これが意外と知らないこともあるのではないかと思います。

子宮の役割

 胎児を育成する為の器になります。
 4cm~8cm程度のサイズで、少し縦長になっています。

 中は空洞があるようなイメージですが、実際には内部組織で埋まっていて細いです。

 外側はちょっと特殊な筋肉細胞で、妊娠すると細胞自体が大きくなって、赤ちゃんに合わせた膨張に耐えられるようにできています。面白いですね。

 月経周期

 子宮内はフカフカのベッドを作る為の「子宮内膜」と呼ばれる、すごく増殖する細胞組織を持っています(上画像では濃いピンク色の部分)。しかしこのフカフカのベッドは定期的に交換せねばならず、だいたい28日間前後で排出されます。

 これが「月経」「生理」です。

子宮内膜

  この「子宮内膜」の細胞組織が、稀に子宮以外にくっつくことがあります
 これを「子宮内膜症」と言います。原因はわかっていません。
 近い臓器周辺、例えば卵巣、腸、膀胱など、そして離れた場所だと横隔膜、肺などにも増殖した例があります。

 子宮内膜の細胞はものすごい増殖力で、更に月経周期に合わせて増えますから、他にくっついた細胞も時期がくれば同じように増えます。そして他臓器と癒着したり、炎症を起こしたりして問題になります。子宮内膜症の人が一般的な月経と比べてとても辛いのはこの為です。

 なので、人と比べて生理が無茶苦茶重い、痛い、動けない、出血が多過ぎるという人は、このような病気の疑いがありますから、「しんどいのは当たり前だ」といって我慢をしないで下さい

 出血の量と期間

 健康な女性の月経量は、一周期(1回の生理)で20ml~140ml……てなことが言われています。20ml140mlでは天と地ほどの差ではないか!と思いませんか?
 そりゃあ、全然軽いよ~という人と、すっごく重くって煩わしいよーという人とがいるのも頷けます。

 また、この量が一気に出てくれるならどうということはないと思うのですが(それはそれで困るけど)、実際にはちょっとずつ3日~7日程度掛けて出てきます。この期間のことをみんな「生理中」と言ったりします。

 少な過ぎるのは「内膜が薄い」ということで問題ですし(着床が難しい可能性)、多過ぎるのは前述の子宮内膜症などの疑いもありますから、出血が少なくて二日くらいで終わっちゃうような人は「楽でよかったわ♪」とか、逆に「生理はしんどいものだからしょうがない」とかで済ませてはいけません。

卵巣の役割

 卵巣は「卵子を育てている」……というのは仕事の半分くらいです。

・女性ホルモンを分泌して、脳に指示を出す
・毎月育った卵子を卵管に排出して受精準備をする

 この二つが主な仕事です。

ホルモンの分泌

 卵子が育つほど、卵子自身(卵胞)が女性ホルモンを排出し、身体にそれを知らせます。
 このホルモン量の調整を人為的に行うことで、経口避妊薬(ピル)やミレーナは(日本にはない避妊パッチやリングも)避妊を可能にしています。

 ホルモン量を調整することで「今排卵が必要か」「今子宮内膜をフカフカにする時か、排出する時か」というコントロールをしています。

排卵

 卵巣は子宮の左右にふたつ並んでいます
 左右交互に排卵をするという説明がされることがありますが、実際にはまばら、あるいはどちらかに偏ったり、となるそうです。

 卵子そのものは毎月新しく作られるものではなく、女性が生まれた時から、あるいは生まれる前から体内に生涯の全数を持っています。そこから必要な分だけ卵子を育て、毎月排出するというシステムになっています。

子宮と卵巣の関係

 子宮と卵巣の構造はちょっと特殊です。
 卵管と呼ばれる、子宮から卵巣までの道になる管があるのですが、その管はなんと、卵巣とは完全には繋がっていません。

卵管采がどうして上手くキャッチ出来るのかは謎らしい…?

 排出された卵子は、なぜか卵管の開いた先(卵管采)に上手くキャッチされ、子宮へと向かいます。

 それまでに精子と出会えなかった卵子は、そのまま生理(月経)と共に、体外に排出されたり、吸収されたりします。

真面目な話はおいといて……

 という、情報としての「生理」、教科書に載っているような説明では、体験したことがない人にとっては、漠然としていて、「血が出るだけ??」という想像くらいしかできないのではないでしょうか。

 特に男性の場合、仲のいい女家族や、親しい女友達からの情報で知っているという人を除いて、実態を知らない人も意外と多いようです。

 女性は基本的に生理にまつわる話を「してはいけない」「隠すことがマナー」と、誰からとなく教えられることが多いです。
 例えばネット上ではどなたかの男性が、興味が湧いたからと「調べたり」「聞いたり」すると、「なにこの男、変態!」と非難されてしまったりもあるようです。

 しかし反面「男性には生理が大変だということを理解して!」という声もあります。
 一見矛盾しているようですが、確かにデリケートな問題なので、例えば「直接その人に”その人にとっての生理について”を聞き出す」というある種のコミュニケーション不全的な行動から知ろうとしてもらうのではなく、このようなブログから理解を広げて行って貰えたらな、なんて思います。

生理の現実

 生理が来ることそのものを、毎月大歓迎!楽しみ!と思っている人は、恐らくはいないと思います。

 それはナゼかと言いますと……

すごく面倒です

 ちょっとずつ血が出ることそのものが、すこぶる面倒臭いです。

 男性にわかりやすく例を挙げるならユルくなった肛門の為、ちょっとずつ軟便が漏れ出るという状況を考えて頂くといいと思います。

 便と経血(生理の時に排出する血)の違いは「ウンコは汚い」という概念が有るか無いかと、匂いのタイプが違うというくらいです。経血も、経血特有のにおいが少しあります。

日数と量

 この出血の現象は、2日~7日続きます。
 前述通り、人によって違いますが、私の知り合いの範囲では、5日程度が多かったですし、私自身も丁度5日間が本格的な出血、6日以降は残りのカスのような、ゴミのような黒っぽくなったものが少し出る程度になり、7日目には収まります。

 量も人によりますが、おそらく「ミリリットルで説明して」と言われてもできない女性が大半だと思います。

 いわゆる「生理用品の交換頻度」で説明をすると、最盛期多くの場合は2日目)で1時間に大きいナプキンを1個交換する程度になる人がいます。

 これがいわゆる「多い日」のことですが、この「最も多い期間」も人により、多量の出血がまとまって出た後は割と落ち付く人、二日目は本当にずっと多くて重くて辛いという人もいます。

 平時の出血は、通常ナプキンを2~3時間で交換程度になり、終わりに向かうほど量は減って行きます。

出血の実態

 実際の出血は気持ちのよいものではありません。

 生理中は、液体部分と内膜の固形部分が排出されます。
 液体の部分が出る時にはそこまで不快な感覚はありませんが、固形部分のレバーのようなものが出る時には、特有の「ドロッ」とした通過感がものすごく気持ち悪いです。

 最近のナプキンの吸収ポリマーと表面の質感はとても優秀なものになっていますが、それでも多量の血液を含んだナプキンはぺっとりと張り付き、気持ちのいいものではありません。

割と痛いです

 痛さの違いも人によります。
 重い人は寝込むほどとは言いますが、そういう人は子宮内膜症等を疑った方がいいです。

 健康な人の月経でも、とにかく腹痛がします。
 ずっと同じ痛みが続くというよりは断続的で、ドンと急に痛くなったり、小康状態になったりします。内膜を排出する際には子宮全体が収縮する為に痛みが発生します。

 痛みそのものは鈍痛で、腹部が重くグッっと唸るようなタイプです。
 市販の痛み止めを飲むことで和らぐこともあります。

どう付き合っていくか

痛み

 腹痛を和らげる対策というものは、情報サイト等含め沢山あります。
 お風呂に入ったり温かいものを飲んだりして温める運動する等、昔からある対処的な方法を言われています。

 市販薬を飲んで痛みを和らげるだけでも随分と楽になります。
 最も重い二日目に服薬し、少し楽に過ごすという人は結構いらっしゃいます。

出血

 出血は基本的には止めようがありません。
 ちょっとずつ出るものを一気に出すような方法はなく、せいぜいトイレに入った際にお腹に力を入れて、今出せる分を出す程度のことしかできません。
 その際には便器の水が真っ赤になります。

 一部でにわかに流れているよくわからない話で「トイレで全部出し平時は力を入れて締めておけば下着は汚れず生理用品も要らない」というものがありますが、そんな方法は昔から存在しないし、できません
 大昔は月経中は別の小屋のような所に入れられた地域もあったそうですし、一般人には古い布切れや紙、藁や植物が使われていたので(むしろそれらは良い方なくらい)、昔の人はそうやって止められたという言説は明確に間違いです

 確かに「生理が始まったけれど手持ちのナプキンがなくて!」という場合に、おまたに力を入れてコンビニに行く……ということは、やってやれないこともないですがもちろん限界がありますし、大抵漏れます。
 そういう場合はみんな友達に持っているか聞いたり、トイレットペーパーをガーッと取ってまとめて下着の中に入れ、かつ緊張気味にしてコンビニやドラッグストアに買いに行ったりします。

漏れる

 量が多い人ほど「経血の漏れ」を経験していると思います。
 寝ている時生理用品が替えられない時動いている時二日目で許容量を超えていることに気付かなかった時、そういう時に経血というものは一切待ってはくれず、下着の外に「こんにちわ!」します。


朝起きて漏れているのはものすごい絶望感

 座っていればお尻側に染み出し、立っていれば足を伝います。
 良くてナプキンの場合は下着の両サイドから漏れて汚れ、タンポンの場合はクロッチが真っ赤です。そこから更に漏れて外側の服を汚すのはもはや時間の問題です。

 漏らさない為にはマメに替えることですが、どうしても替えられない場合もあるでしょう。
 この「漏れていないかな?」とずっと気になるということ自体が、生理中の精神衛生がよくない理由のひとつです。
 「パッドを当てているけど下痢漏れてないかな……?」と心配する自分を想像してみて下さい。一度信用を失った肛門とのお付き合いは、なかなか難しいものがあることを身を持って体験されている方も、実は結構いらっしゃるでしょう。 

精神面

 ホルモン分泌により、生理前には様々症状が出る場合があります。
 落ち込みやすくなったり、イライラしやすくなったりというのは多かれ少なかれ出る症状です。

 生活に支障が出るほどの変化がある場合を「月経前症候群(PMS)」と言います。

生理用品

 市販の生理用品は大きく分けて2種類あります。

・生理用ナプキン

 下着に吸収ポリマーを含んだ小さなパッドを貼り付け、経血を留めます。
 平均2~3時間程度で交換、吸収量の多いタイプで5~6時間耐えられるもの、大判のもの、下着に折り込む羽付きのもの(サイドの漏れを防ぐ)、逆にコンパクトなものなどがあります。

 状態により使い分ける人、1種類で通したんで問題がない人等、様々です。

 昨今の市販ナプキンはとてもよく出来ていて、昔と比べると不快感は激減していますが、性器表面にポリエステル等のパッドを当てておくという状態はあまり気持ちの良いものでないのは変わりません。

 下着に貼り付けて過ごすという形態から、大きな動きは苦手です(ズレやヨレが生じてしまいがち)。その為「ちゃんと面しているかな?」という心配がどうしても付いて回ります。

・タンポン

 棒状の吸収体を膣内に挿入するタイプの生理用品です。
 許容量を超えない間は、ナプキンと比べると「ヨレ・ズレ・面する感覚」から解放されるので、随分と快適に過ごすことができます。
 膣内に挿入したままでいるという特性から、中には使うことに抵抗があるという女性もいます。

 内部で留める為、生理中でも水泳ができたりするというメリットがあります。

 反面、許容量を超えていることに気付かず過ごすと、経血が漏れ、下着を汚すということもあります。それを心配するが為に、タンポンを使いながらも更にナプキンをセットするというダブル使いの人も中にはいます(すごく量が多い人の最終手段でもある)。

 体内にすごく長時間入れておくと、ごく稀に「トキシックショック症候群」を発症する場合があります。タンポンの長時間使用で、黄色ブドウ球菌による敗血症からの死亡例が海外にはあります。
 箱の説明通り、使う前には手を洗う、8時間の使用時間等を守るようにして、ナプキンと共に清潔に使うようにしましょう。

・その他

 「月経カップ」というアイテムが、日本でも通販でですが購入できるようになりました。
 柔らかいシリコン等で出来た円錐状のカップになったもので、それを膣内に直接挿入し、そのカップで経血を受け止めるというアイテムです。

 挿入にコツがいること、量がとても多い人は漏れないか不安になる、手を洗ったりカップを洗ったりがちょっとメンドい……ということもあるかと思いますが、生理用品の消耗を気にしなければならないことを考えるとすごく良いアイデアです。

 ケニアなどでは生理用品が買えず(日給近くする為に)、苦難を強いられている女性が沢山いました。しかしこれを導入することでケニアの女性のQOLは劇的に向上したのです。

男性はどうフォローしようか?

 しんどくなるものは仕方がないです、痛いのも仕方がありません。
 パートナーが辛い状態にあることを、放っておくことはできないのが人情だと思います。

・さすってあげる
 古典的手法ですが意外と効果があります

・温かいものを差し入れる
 作ってあげたり、持っていって温めてあげたり。

・イライラする人に対して耐えなければならないというのもまた理不尽だ
 「生理だから八つ当たりしてしまうのはある程度仕方がないと思ってほしい」という主張は、男性からすればなんとも理不尽です。
 しかし元々の理不尽の原因は月経によるホルモンバランスの変化なわけで、女性本人も悪くないといえば悪くないわけです。
 そういう時期には事前によく話し合って、どう付き合っていくか考えていける二人でありたいですね。
 「とにかくイライラするんだからしょうがないでしょ!」と主張するだけの女性とは、誰でも付き合い辛いですから。

・生理用品を代わりに買いに行ったり
 平気な人は平気であろうこの「男性が生理用ナプキンを買いに行く」という行為、慣れない人には無理かもわかりません。
 実際はドラッグストアの店員さんもコンビニの店員さんもなんとも思いませんので、パートナーがしんどくて動けないという場合には積極的な助力の方法として有効です。ついでに痛み止め(イブプロフェン系や「生理痛に」という表記のあるもの)も購入されると良いでしょう。


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2 thoughts on “生理(月経)というものはとても面倒臭いものである”

  1. いろんなナプキンを試せるって考えるようになったら生理も楽しくなってきたっちゃきたんですけどそれでもだるくなったりするのには変わりないです。

    1. ナプキン無い方が快適なのは間違いないですしね(´▽`;)
      少ない人だと「そこまで大した問題ではない」と言えるのかもしれないけど、そりゃ無いなら無いにこしたことはないわけで……(それが女性の証だとかいう宗教的な?話はさておき)

瑞谷 藻緯 へ返信する コメントをキャンセル

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